川を渡る

 緊張感マックス!

   私達の乗ったバスを、まるで先導するかのように小鳥が飛んでいきます。

   若いころ、フォーククルセダースの詠ったイムジン河のメロディを口ずさんでいる私。
   鳥たちは自由にこの川を渡って行き来できるのに!この国は南と北の国のふたつに!

   ひとつの民族が北と南に切り裂かれ、自由にその地を踏むことが許せないなんて。わが国も
   軍事境界線と呼ばれる国境の町「板門店」に似た場所が出来ていたら、どうしよう?

   叔母と姪(兄の娘)の二人旅は、そういったところ
   「板門店」と呼ばれる所へバスツアーで向かっている所なんです。

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   今から10年ほど昔の話です。

   兄の遺児・藍子が希望の大学に受かりました。その春の卒業旅行に韓国・板門店を選びました。
   ふたり旅、足の向くまま気の向くままの日程に空いたポッカリ一日。

   理由(わけ)有って姪のこれまでの何をも知りません。赤ちゃん時代の抱っこも、オシメを替えたり、手を引いたりとか
   私の前に現れたのは高校生の大人っぽい可愛い娘、いきなり娘を前にしました。素敵な高校生でした

   兄の葬儀の席で大学受験に合格したら旅行行こうな~~っ!

   当時韓流ブームで!
   でも、まさかの板門店観光のチケットは、国内でとり(確保)ました。バスが2台も出て人気コースでした。

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   意地悪の叔母は、どことなく値踏みをするような眼差しで姪の言動を見ていました。

   ところが敵ながらアッパレ、しつけの行き届いた(思っていたよりか?)点数の良い娘でした。
   旅行中、言う事、することなすこと、ひいき目かな。まずまずの出来でした。

   ソウルのロッテホテルに、各ホテルからの旅行者が集まります。
   北へ一時間ほど、町中を抜けて進みます。漢江を渡って、家が少なくなって、草原を抜けてイムジン河を渡った。

   降りる手前で誓約書に印鑑を押します。姪っ子任せです。だから手にすることなく読んでもいません。
   内容は、一歩も北の敷地に入らない、入ったら帰れない。一人一人の身の保証はしない

   帽子が舞い落ちても、拾わない。(その誓約書はバスがホテルに着いたとき返してくれた)
   私達が見学した数日後、米国の婦人記者2名がスパイ容疑で連れて行かれた。怖い北の国です!

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   1950年6月に始まった朝鮮戦争は、アメリカ軍と中国軍の参戦で一層激戦となったが、1953年7月に休戦した
   そのとき、北緯38度線近辺に「軍事境界線(分界線)」が設置され、両国間の国境のようになった。
   これにそって南北双方が幅2kmの「非武装地帯」を設けた。ここには、地雷が設置されている


   こちらから高い見張り台に上り、向かいの国を眺めた。腰に銃身、片手に双眼鏡を持ち
   同じように高い所からこちらを見張っている。軍服の兵士が見えた。

   見渡す景色の中に建物は無く、岩山の土地は肌を剥き、どこからか全てを覗かれているような気がした。
   境界線に沿った青い倉庫のような建物に入って説明を聞くも、立っている兵士に腕を引っ張りこまれる様な不気味さ

   好奇心一杯で、見たい、聞きたい、知りたいことばかり!それでも、去りたい方が勝っていた。
   背の高い、ドアの前に立つ衛兵さん入りの写真を撮ったりしたよ。

   私達の育った60年代は隣国(同じような敗戦国)の境遇に涙したものだが・・・・
   あれから歴史は大きく変わり、ふたつの国は今では様変わり。

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   命からがら逃げてくる脱北兵、踏んではならない休戦国の敷地内に武器を持ち戦いを挑む兵
   二つの国は、力を持つマンモスと化して変貌を遂げてきた。

   10年前、心がきゅんとなったり、背中を掴まれたら、どうしよう?なんてハラハラした場所
   テレビで脱北兵の境界線の画像を見て、久しぶりに思い出したんです!
   今では、話題に事欠かない北と南の国ですね。


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by kazumi1171713 | 2017-12-01 21:18 | Comments(10)

Commented by Hsrolayqq at 2017-12-02 20:58
こんばんわ
この38度線何とかならないんでしょうか?
今時、対立している国ってここくらいでは?
Commented by agsmatters05 at 2017-12-03 02:54
素晴らしい写真。強烈な印象を残した旅だったのですね。
この姪御さんはもうヤングママさんとなっていらっしゃるのかな。
行ける時に行っておいて良かったですね。
Commented by akera_s at 2017-12-03 13:27
高校生になられてお会いした姪御さん
そしてお約束が二人旅
実行できたこと素敵ですね。
Commented by cosumosu52 at 2017-12-03 21:16
またまた一気に吸い込まれました。
姪御さんとの韓国旅行の記事は覚えていますよ。
私も娘と行きました。
この恐いバス旅行もしました。まるで映画の様な体験でしたよ。
でも10年前のその体験をこのように描けるとは ん~凄いなぁ。
この通りでしたもん。
青い建物の中、真ん中に机が置いてあって中心から向こうは北だから一歩も踏み込まないでください。
そんなことでしたね。
娘が母さんが何かしでかさないか本当に心配したそうです。
Commented by 山小屋 at 2017-12-04 07:11 x
数年前に中国側から長白山に登りました。
長い階段を登って尾根にでたら中国と北朝鮮の境界を示す
標識が立っていました。
北朝鮮側に入って写真を撮りました。
天池の奥に将軍峰がそびえていました。

北朝鮮・・・
世界中から避難を浴びています。
何も知らされていない国民はかわいそうです。

板門店・・・
先日の事件がまだ生々しいです。

Commented by marri at 2017-12-04 15:45 x
hsrolayqqさん
休戦中だってね!
アッという間の数十年。さらに悪化する隣国。
ずっとこのままに終わるかな?コメントありがとう。
Commented by marri at 2017-12-04 15:49 x
ミチさん
寒いねぇ~!シゴトってたくさん増えましたね。
貴女の所伺って・・・ビックリ。事故には気を付けてね。
姪は
30歳前にして未だシングル。母一人残しては、いいご縁が有るかな。
Commented by marri at 2017-12-04 15:52 x
akeraさん
初めての旅行なのに、記憶に残る思い出深い旅になりました。
今回、こんな重たいお話になり申し訳ありません。
狂も寒い一日でした。風邪をひかないように。
Commented by marri at 2017-12-04 15:59 x
cosumosuさん
覚えていて下さいましたか。はい、あの時の事です。
私も倅と行けば、ずっとマークされっぱなしかと!ハラハラ親!
写真撮ってても、足が滑って「北」へ入らないかな・・・などと。でも一度行ってみたかったよ。
話の分かる人が居て・・・ホッ!重い話題でした(すんません)
Commented by marri at 2017-12-04 16:05 x
山小屋さん
北の地に立ちましたか。胴震いが起きそうです!
訳も無く、拉致して平気な国民性は、古い時代の戦争と今も変わらず。
一度は境界線を・・・と思っていました。ツアーの人たち大勢いっしょだったので。
あの日から、かの国は形を変えて強大に変化してきたので。難し過ぎます!