友だちが一人増えました
敵じゃなくお友達
「Kさん、悪い結果です」
主治医の先生はそういってから、Kの後ろを見た。いつもは親友・Aが控えめに立っている。
一週間前、PET・CTの検査を受けた。上手く説明できないが
写真フィルムに「癌」の部分が光るとかで、最近の検査は早期発見にと繫がっている。
主治医の先生はPCの画面で、今までKのフィルムに見入っていたのです。
その日に限って、Kは一人で来院していました。
「すぐ手術した方が良いです。貴女は肝内胆管癌です。悪い所を切り取りましょう」
まるで悪い夢の中で聞いてるような気持ちのK。この頃はストレートに本人に直接宣告するのね。
Kは稚拙な質問をした。入院、手術しないと・・・どうなるのですか?
「持って・・・一年ですね。女優の川島直美さんがこの病で亡くなりました。
手術したら年3~4回の検査を受けて貰って5年間、何も無ければ安心しても?」
その時の事 思い出しても不思議な話、淡々と他人事のように聞いていました。
後から考えるに、毎回付添いくださる親友Aが患者の身で、その彼女の病状をを聞いていたような錯覚。
こんな話、こういう風に伝えるんだっけ?
息子さんに来ていただけますか・・・なんて、テレビでは驚愕のシーンじゃなかったかしら?
なんか・・・手術すればいいんだと暢気なKはフツーに聞けました。先生に全てを託しました。
「手続きします。外の待合室で呼ばれるまで、待っててください。」
Kは何時もの様に、いつもの挨拶をして診察室を出た。
椅子に掛け待ってる間に変化が現れた。ガクガク体が揺れた。両手を組んで抑えた。
思いもしない体の揺れは名状しがたいものだったが、長くは続かなかった。
このふた月の間、幾度となく検査、検査で通った道を駐車場に歩いた。
いつも、親友のAが保護者の様にt付添いさんで付いてきてくれた。Kは自分の方が付添いさんの気分だったのか?
さっきのガタガタ揺れが嘘のように気分は軽かった。不思議に恐れのないこと!
ただ、このまま家に帰りたくなかった。誰にも会いたくない、話したくないと。
くどくど独り言言いながら、何処へも寄らずに帰宅した。氷雨の降る2月の寒い日でした!
それは、去年の6月から始まりました。毎月の採血検査の結果CA19・9の数値が異常に高くなりました。
これは内臓のどこかのガン数値を示しているという事。Aはその時思ったそうです!
暢気なKは動こうとはしなかった。ところが、その年の12月の検査の結果はもっと高くなっていました。
行きつけの医師が大きな病院への紹介状を書いてくださいました。
年の瀬だったので新年あけてからしっかり検査して貰う事にしました。
新年(今年)の初め、1月6日に初診を受けました。ここもあそこも、時には週3回も通院したり
胃も腸も肺も心臓も・・・あぁ~~~ぁ!もう丸裸にされたような。
高齢者のKは途中、眼科、歯科などの健診も重なり。最終検査の発表が2月末になりました。
どういう結果であれ、受け入れようと思いました。余り心の動揺はなかったです。
友人Tさん、Yさんがガンと闘っているけどケロッとしている。辛いだろうにって?
でも、両人とも、いつも明るく屈託なく笑っている。一人になったとき泣くのかなぁ~!
誰でもこうはいかぬじゃろ!私だったら???
いいえ・いいえ!
術後のKは みんなに公表してこの敵と闘おうと思ったよ。以前と変わらず、賑やかで明るかった。
これまで不思議でならなかったT・Yさんと何ら変わりない言動なんです。
今の時代、早期発見であれば何でもないのです。受け入れればいいのです。
結果を聞いてからのKは、聞かなかった頃のKとちっとも変らないのです。
誰も、強がりで心の中は・・・?と思っているようですが仲間のT・Yさんと会えば
今夜のおかずの事のように今の病状を語り合います。
一年って、早いなぁ~♪
こんなにも早いことが、嬉しい!春が来たら、また次の一年を過ごせばいいのだ。
一日いち日を大切に生きることの大切さをを見つけた今、敵は喜びの友だちのような!
皆様へ
いつも、訪問してくださりありがとうございます。
一年間もの長い間休んでいての再開なのに、温かく迎えてくださり嬉しかったです。
この半年間ありがとうございました。
来る年も変わらずよろしくお願いいたします。風邪などひかない様に・・・ネッ!
by kazumi1171713 | 2016-12-29 11:33